エコツーリズムでも野生動物への影響は避けられません。実際の数値を測定しました。
調査方法
知床半島のヒグマ観察ツアーを対象に、初心者向けと専門家向けの2コースを比較。期間は2023年5月から10月まで。GPS首輪を装着した個体12頭の行動データを分析しました。
初心者ツアーの実態
参加者は1回平均28名。観察距離は最短で42m。滞在時間は平均23分。ツアー頻度は週5回。対象個体の心拍数は通常時の127%に上昇。警戒行動の発生率は68%でした。採食中断時間は平均18分。
専門家ツアーは参加者8名以下。観察距離は最短150m。滞在時間12分。週2回の実施。心拍数上昇は108%。警戒行動は22%。採食中断は平均4分でした。
長期的影響
初心者ツアーが頻繁に訪れるエリアAでは、6ヶ月間でヒグマの利用時間が34%減少。一方、専門家ツアー中心のエリアBは12%減にとどまりました。
体重変化も測定しました。エリアAの個体は平均3.8kg減。エリアBは0.9kg減。ストレスによる採食効率の低下が原因と考えられます。
収益性の比較
初心者ツアーは1回42,000円の売上。専門家ツアーは少人数で78,000円。頻度を半分にしても専門家向けのほうが週あたり収益は高い結果でした。参加には事前学習2時間が必須ですが、待機リストは3ヶ月先まで埋まっています。動物への配慮と事業性は両立可能でした。